地デジアンテナ(正式名:UHFアンテナ)とは?

地デジアンテナとは地上デジタル放送(NHK2ch+民放の番組)を視聴するためのアンテナで、電波塔から周波数300MHzから3GHzまでの電波を受信するための物です。
UHFアンテナが受信する電波は「極超短波」とも呼ばれ、470MHzから770MHzの電波を13から62までの番号で振り分けることでテレビが見れるようになります。
地デジアンテナ(UHFアンテナ)は主に「八木アンテナ・デザインアンテナ・ユニコーンアンテナ・室内アンテナ」の4種類からなっておりそれぞれに特徴があります。
まずはその地デジアンテナの特徴やメリット&デメリットなどについて詳しく解説していきたいと思います。
地デジアンテナ4種類の違いを徹底解説
1.八木アンテナ

1926年に八木秀次と宇田新太郎によって共同開発されてから、八木アンテナ(別名:宇田アンテナ)として広く親しまれており、今では一番よく目にするオーソドックスなアンテナとなっております。
電波強度は一般的なアンテナの中で最も強力で、電波状況が悪くなりがちな住宅密集地や田舎でも安定して電波を受信できる特徴があります。
一方で屋外設置ができない条件下(積雪の多い地域・台風の影響を受けやすい地域)などではすぐに破損してしまうので、基本的には設置を推奨していません。
また指向性が高いアンテナとなるので設置の際には位置調整が必須となっており、通常は業者へ依頼して設置してもらうのがスタンダードとなっています。
八木アンテナがおすすめな人は?
- 電波強度が弱い地域にお住まいの方
- 設置費をできるだけ安く済ませたい方
- 屋根裏への設置を検討している方
- 家の景観に影響しても問題ない方
2.デザインアンテナ

地上波デジタル放送が2003年から開始されてから次第に「家の景観を損ねたくない・・・」という声が増えはじめ、2009年頃から少しずつデザインアンテナが根付いていきました。
見た目が長方形でスタイリッシュな形をしているだけでなく、カラーバリエーションも「白・黒・茶色・ベージュ」と4種類あるので家の外観に合わせて設置することができます。
設置位置も壁面やベランダなど目立たない位置に設置することができるので景観を損ねず、故障の原因となる雨風の影響も受けにくいのでメンテナンスの手間がかかりにくい特性もあります。
電波強度は八木アンテナと比べると弱いのですが、決して弱いわけではないのでブースター(増幅器)を用いれば、ほとんどのお宅でテレビ電波を安定して受信することが可能です。
ただ電波の弱い住宅が密集している場所や、山岳地帯では電波強度が十分でない場合は設置ができない可能性があることと、八木アンテナよりは少し設置費用が高くなります。
デザインアンテナがおすすめな人は?
- 風雨に強く破損しにくいアンテナがいい方
- 外壁やベランダへの設置を検討している方
- 外観を綺麗に保った状態にしたい方
- 価格が少し高くなっても問題ない方
3.ユニコーンアンテナ

大手メーカーのマスプロが2017年に発売した最新作で設置した様がユニコーンの角に見えることから名前が由来しており、2018年にはグッドデザイン賞受賞も獲得しているアンテナです。
「高さ67.2cm、幅14.3cm、奥行き12.3㎝」のコンパクトな円柱型で、無骨な金属部分をポールで囲い表面をマット加工にすることで太陽光を反射しない機能的なデザインとなっています。
カラーバリエーションも「ウォームホワイト」と「ブラックブロンズ」の2色を取り揃えているので、お家の外観に合わせて選ぶことができます。
屋根上に設置しても丸形なので風の影響を受けにくく、住宅密集地でも電波を受信しやすい特性がありソーラーパネルへの影響も最小限に減らすことができます。
電波強度は中程度となっているため弱電界地域では設置できない場合や、本体価格が1番高いアンテナなので設置費も合わせると高額になってしまいます。
ユニコーンアンテナがおすすめな人は?
- 住宅の密集地帯に住んでいる方
- 屋根上設置でも景観を壊したくない方
- BSと一体感のある設置を希望する方
- ソーラーパネルを設置している方
4.室内アンテナ

大規模な工事をする必要がない唯一のアンテナで室外ではなく室内で使用することができ、サイズが小さくコンパクトなので少しスペースがあれば設置可能です。
電波強度は最弱なので弱電界地域(21素子以上)での使用は難しいですが、室内アンテナは種類が多く高機能な物であれば中電界地域(14~20素子)でも映る可能性があります。
設置可能かどうかを判断するには受信電波の強さを測定する必要があるので専門業者に依頼するのが一般的ですが、自力で設置する場合は窓際や高い位置に置き試行錯誤して向きを調整します。
本体の価格は安く設置費がリーズナブルな点、電波強度が弱く1台以上の設置が難しい点やテレビ映りが悪くなりやすい特徴があります。
室内がおすすめな人は?
- 電波強度がとても強い地域にお住まいの方
- ノイズや画質の悪さが気にならない方
- 部屋に設置できて景観を壊さないアンテナがいい方
- 位置調整などのメンテナンスは簡単な方がいい方
地デジアンテナ選びのポイント
1.受信環境に合わせてアンテナを選ぶ
アンテナを選ぶ際は、「地域の電波の強さ(電界地域)の把握」と「それに適したアンテナを選ぶ」ことが大切です。
なぜなら安定して電波を受信することができなければ、テレビ画面の乱れやノイズにつながり最悪の場合は設置しても映らないという事態になってしまうからです。
電界地域ごとのに適したアンテナは以下の表のようになっています。
電界地域 | アンテナの種類 |
---|---|
強電界(80dBuV/m以上) | 全種類対応 |
強・中電界(70~80dBuV/m以上) | 室内アンテナに限りブースター付き推奨 |
中電界(70~80dBuV/m) | 室内アンテナのみ使用が厳しい |
中・弱電界(60~80dBuV/m) | デザイン・ユニコーン・八木アンテナが推奨 |
弱電界(60~70dBuV/m) | デザイン&ユニコーンアンテナにはブースター推奨 |
微弱電界(50~60dBuV/m) | 八木アンテナにもブースター推奨 |
基本的には「八木アンテナ⇒デザインアンテナ⇒室内アンテナ」の順で電波強度が強く、電界地域が弱い場合にはブースター(増幅器)を使用して電波強度をUPさせて設置します。
ただ、室内アンテナの場合はスカイツリーなどの大きな電波塔が目に見える範囲内でなければ使用が難しいので、基本的字は八木アンテナまたはデザインアンテナを選択するのが主流です。
2.デザイン性と設置位置で選ぶ
電波強度も大切ですが強電界地域~中電界地域ではデザイン性が優れたアンテナでも安定して電波を受け取ることができるので、家の景観を損ねないたくない方はデザインや設置位置もチェックしておきましょう。
八木 | デザイン | ユニコーン | 室内 | |
---|---|---|---|---|
見た目 | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
設置位置 | 屋根上、壁面、屋根裏 | 壁面、屋根裏、ベランダ | 壁面、屋根上 | 室内 |
電波強度 | 強 | 中 | 中 | 弱 |
とデザインだけでなく設置位置も様々でアンテナが目立つのが嫌な場合は「屋根裏・壁面・ベランダ」など、建物と一体感を出したり目立つ位置から隠すことも可能となっているので電波強度が十分な場合はデザインや設置位置にもこだわることができます。
3.価格で選ぶ
価格 | 単体 | 新規 | 交換 |
---|---|---|---|
八木 | 2,750円~ 12,000円 | 35,000円前後 | 15,000円~ |
デザイン | 2,500円~ ~12,500円 | 40,000円前後 | 20,000円~ |
ユニコーン | 7,000円~ 13,000円 | 45,000円前後 | 25,000円~ |
室内 | 1,500円~ 4,500円 | – | – |
室内アンテナの場合は設置費が必要ないため他アンテナに比べて格安ですが、電波状況が良好な場合のみ設置可能となっておりノイズが入りやすい特徴があります
一方「八木アンテナ・デザインアンテナ・ユニコーンアンテナ」の価格は素人では設置が難しく価格は割高になってしまうものの、ほとんどの地域で対応しており電波も安定しやすいので一般的にはこの3種類から選ばれています。
BS/CSアンテナとは?

「ブロードキャスティング・サテライト(Broadcasting Satelite)」通称:BSは衛星放送を利用した放送、「CS/コミュニケーション・サテライト(Communication Satelite)」通称:CSは通信衛星を利用した放送のことを言いそれぞれ以下のような違いがあります。
放送の違い | BS放送 | CS放送 |
---|---|---|
利用衛星 | 放送衛星 | 通信衛星 |
特徴 | ハイビジョンch | 専門性の高いch |
チャンネル数 | 無料13ch・有料18ch | 有料54ch |
主要CH | NHK WOWOW スターチャンネル | スカパー! |
料金 | 一部無料 | 有料 |
対応角度 | BS110度 | CS110度 CS124度 CS128度 |
とBS放送には無料のチャンネルが準備されていますが、CS放送は有料チャンネルのみとなっておりジャンルに特化した番組がメインです。
また角度さえ揃えればBSとCSを共通のアンテナで視聴することが可能なので、見たいチャンネルが「CS124度・CS128度」にない場合は「BS110度・CS110度」に揃えると1つのアンテナでBS/CSチャンネルの電波を受信することができます。
BS/CSアンテナ3種類の違いを徹底解説
アンテナの種類 | BSアンテナ | CSアンテナ | 4K8Kアンテナ |
---|---|---|---|
見た目 | 真っ白の円盤型 | CS対応やスカパーの記載 | 4K8K対応と記載 |
価格 | 5,000円 | 5,000円 | 15,000円 |
主要チャンネル | NHK・WOWOW | スカパー! | NHK BS 4K |
設置条件 |
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|
1.BSアンテナの特徴を紹介

BS放送の番組を受信するために必要なBSアンテナ。地デジなどをご覧になれない地方の方のための情報格差を無くす目的としても利用されています。
無料チャンネルが13chと豊富で別で契約することで有料放送(18ch)も視聴することができるので、CSアンテナと違い設置するだけで無料チャンネル数を増やせます。
契約が必要となりますが有料チャンネルには「WOWOW・スターチャンネル」などの有名配信も視聴可能となっており、気になるチャンネルがあれば個々に契約可能です。
基本的にはスポーツ系の放送が全世代に人気となっており「野球・サッカー・ゴルフ」などの視聴者が多く、地デジやCSに比べ高画質で見れる特徴があります。
BSアンテナで見れる番組表
2.CSアンテナの特徴を紹介

「スカパー!」またはその姉妹チャンネルを見るのに必要なのがCSアンテナで、基本的にはBSアンテナと一体型となっているので契約さえすれば視聴することができます。
チャンネルの特徴としては「映画・スポーツ・エンタメ・趣味・韓国ドラマ・国内ドラマ」などの専門性に特化したものが多く、趣味嗜好に合わせた番組を選べます。
ただしスカパーにも「スカパー!」・「スカパープレミアムサービス」・「スカパープレミアムサービス光」とサービスの種類によって視聴できる番組が違うので、事前にチェックしてから契約する必要があります。
また「プレミアム」が付くサービスを利用するには契約とは別に専用のチューナーを揃える必要があるので、別途周辺機器を購入しなければいけません。
CSアンテナで見れる番組表
スカパー | ||
---|---|---|
スカパー! | プレミアムサービス | プレミアムサービス光 |
3.4K8Kアンテナの特徴を紹介

2K放送(200万画素)とは違い新しく登場した衛星から電波を受け取り、4K(800万画素)または8K(3300万画素)の超高画質でテレビを視聴するためのアンテナです。
ただ映像が綺麗というわけではなく、広色域化により表現できる色の数が多彩になったことで彩りが豊かになり実際に目にした物により近い映像表現が可能となっています。
また画像の表示速度が1秒間に30コマ⇒最大120コマまで高速表示ができるようになったことや、多階調表現で色のグラデーションが自然になったことでより滑らかな映像を楽しむことができます。
まだ視聴できるチャンネルはスポーツやドキュメンタリーが中心となっていますが、時代の流れに合わせてチャンネル数は増え続けているので今後を見据えるなら4K8Kアンテナにするのもおすすめです。
コストに関しては1番高く設置費用は15,000~25,000円ほどかかってしまいますが、設置後は感動できるほど超美麗な映像を楽しむことができるので満足度は高いと思います。
4K8Kアンテナで見れる番組表
BS右旋 | ||
---|---|---|
NHK BS 4K | BS 日テレ 4K | BS 朝日 4K |
BS -TBS 4K | BSジャパン 4K | BSフジ 4K |
WOWOW 4K | – | – |
BS左旋 | ||
ザ・シネマ4K | ショップチャンネル4K | 4K QVC |
NHK BS 8K | – | – |
CS左旋 | ||
J SPORTS 1〜4 4K | 日本映画+時代劇 4K | スターチャンネル |
スカチャン1〜2 4K | – | – |